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何気ない毎日に君と色を添えていこう

感覚の不思議

今日、地下鉄の中で無事読み終わりました。

すいかの匂い (新潮文庫)

すいかの匂い (新潮文庫)

新刊の帯がついていたので、出た当初に読んだんだろうけど*1、夏だったと思う。そして、本屋で買ってすぐに読み出したと思う、確かそれも地下鉄での話*2。あの時は、このあとがきにあるような「わかる」という感覚がわかった気がして、うんうんなんて思いながら読んでいたんですが、今読み返すと、ちょっと湿っぽくてなんとなく重い感じ*3がして、あれれ?と。やっぱり受ける印象が違うなぁ、とそれはそれで新鮮だなと思います。でも、いろんな事を感じ取るアンテナが弱っている気はしていて、それがこれを読む事で、またリアルになった気がします。うーむ。
短編なんですが、あまりカチッと起承転結になってないような印象を受けるお話が何話かあって、首を傾げたりもしたんだけれど、でも、よくよく考えると、普段の生活においてちょっと変わったことがあったとしても、全ての事が必ずしもキチッと終わるかといえば、そんな事はなくて、なんとなく時が流れていって、ということのほうが多いと思うと、あのお話もこのお話もありそうでリアル、という感じがしてくるから、あたしの感覚なんて当てにならないな、と思う。彼女の文章が好きか嫌いか、よくわからなくなったのでもう1冊読んでみようと思って、昨日買ってみた。それを今日から読み始めた。さぁ、楽しみだ。感触は良好、です。

*1:いつ頃読んだかは覚えていない

*2:今、思い出した

*3:精神的にではなく、悪い言い方をするとねちっこい感じ