パッチギ（12/19〜20）＠新国立劇場中劇場
さて、パッチギですが、うえはらくんが「飛び出す絵本」だった事は既に書いたのですが、山本ゆーすけと三倉かなちゃんがすごかった事も記しておこうと思います。ダラダラ長い備忘録です。
ゆーすけに関しては、パッチギに行くと決めてから「この人、生で見たらやばいかも」と思って意識してTV*1見ちゃってたので、正直ちょっとドキドキだったんですが、「惚れる！」という感覚ではなくて「尊敬！」という感情を抱いてしまいました。全身から発せられるオーラというかパワーというか、ハンパなかった。あと、すごくかわいかったんですよ、康介*2自体があの出演者の中ではおっとりしてるのもあると思うんだけど、いちいちかわいくて困った。ギターや歌に関しても、康介もキョンジャに出会って初めてギターに触れるのだから、その辺の感じって慣れてくると逆に難しいんじゃないのかなと思ってみてたけど、「キョンジャ*3とセッションしたい！」という気持ちでギターを始めて「イムジン河」を覚えて・・・っていう初々しさは伝わってきていたし、記者発表の時に「歌が下手なので・・・気持ちでカバーしたい」と言っていた通り、いや、別にそこまで下手だとは思わなかったけど*4、伝えたいという気持ちは本当によく伝わってきて心を打たれました。
三倉かなちゃんは、映画を見たものとしては「エリカ様なのに・・・」という思いがあったのですが、安定感がハンパなかったです。安定感と存在感ね。そんなに背は高くないと思うんだけど、存在感はありましたね。朝鮮舞踊もとてもしなやかで指先一つまで細やかで丁寧に、という気持ちが全身に伝わっていて、見惚れてしまいました。お葬式のシーンで、康介がバンホーのアボジからいろんな事を聞いて初めて知ることに肩身の狭い思いをするんだけど、それを聞いているキョンジャもすごく驚いていて、その表情が本当に素晴らしいと思いました。
私、お葬式のシーン、キョンジャが康介をチェドギの家に呼び戻そうとするところから、康介が橋の上でギター壊して、叫ぶシーンまでが好きで、好き？いや、状況としては切ないけれど、あのシーンのゆーすけとかなちゃんのお芝居がすごく好きで、毎回瞬きを忘れるくらい凝視してしまったんだけど、ほんとにね、良かったですよ。うまく表現できなくてすみません。
石黒くんも初舞台とは思えないほどの気合だったし*5、Dボの中村くんやタイゾーくんやケンショウくんの迫力も充分伝わってきました。私、バンホーがお尻出すシーン、ホントに生尻出すと思わなかったんだよ！聞くところによると、中村くん、稽古の段階でもお尻出してたらしく、それも「お尻も緊張しちゃうし、本番通りにやりたいし*6」からとかなんとかで。中村さん、素敵っす。いやいや、他の出演者さんもやっぱり素晴らしかったんですけどねぇ、山崎くんも発声が綺麗だったし、アンソンの壮行会でみんなで歌うイムジン河なんてものすごいサラウンドだったし、最後の４元中継*7の迫力も息が止まるくらい感じたし、気迫とか音波とか風圧的な見えないものも身体中に感じることの出来る舞台でした。テーマが重いので、どうなるんだろうと思ったけれど、そこそこコミカルなところもあって飽きることなく３公演見ることが出来ました。いちばん感じたのは、というか、当たり前のことなんだけど、３公演が３公演とも同じクオリティなんですよね、個人の役者さんレベルで見れば、例えばちょっと声枯れてたねくらいの差はあれど、舞台としてはどの公演が良くて、どの公演はいまいちだった、がまったくなくて、そこから既に感動なんですけど*8。因みにうえはらくんも「尻、追っかけて！」の辺りで自分のお尻を掴んでる時と掴んでない時とあったり、とある場面で指を立てたり立てなかったり、アンソンの残したコーヒーを飲んだ後においしそうな顔をするか苦そうな顔をするかの細かい違いはあったにせよ、気迫やなんやは一定のクオリティを保っていて、感動しました。いや、普通はそうなんだよね。
カーテンコールも、幕が一度下がったあとは、にこやかにリズムに合わせて手拍子したり、身体を動かしたり、中西→うえはらの切り替えがスパッとしていて、あぁ役者さんだなぁと思った。うえはらになった途端すごく楽しそうに笑ったりしてて、いつだかは最後どん帳が下がる時、笑顔で手を振っている回もあって、思わず振り返してしまいそうになったんだが、あれって振ってもいいの？演劇は見慣れてないので、どうしていいいか勉強不足。その笑顔が清々しくて、ほろっときたりもしたんですが。初回はその切り替えに感動して泣いちゃったりしたんだけど。オーラスを見たお友達にやりきった表情をしていたと聞いて、ほろっときたり。北海道から見に行ってよかったです、ほんとに。良かった、ほんとに。
本当に素晴らしい舞台、ありがとうございました。
