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何気ない毎日に君と色を添えていこう

カワイクなくちゃいけないリユウ

6月10日、東京千秋楽を含む2公演見てきました。会場は、新国立劇場小劇場。新国立劇場といえば、パッチギの時以来。あの時は中劇場だったけど、今回は小劇場。入口入ってすぐ右側の階段を下がるとありました。新国立劇場ってキレイだし雰囲気があって好きだな〜。駅直結なのも魅力的、初台は行きにくいけれども。
ストーリーはこちら(公式サイトより)

ステッフ(村川)は自分がキレイかどうか、彼氏のグレッグ(村井)がどう思っているのか、コンプレックスを持ち、ふとした会話のやり取りから、2人の恋愛関係に大きなヒビが入ってしまう。友人カップル、ケント(植原)とカーリー(吉川)もそんな騒ぎに巻き込まれ、恋することって何? 彼氏・彼女って何なのか?本当に好きなのか? 異性への感情に思い悩む。本音を吐き出し、溜まったうっぷんを晴らし、落ち込み、また踏ん張り、やがて4人は少しづつ成長していく…。

以下、ネタバレを含む感想。長いです。


手書きの殴り書きで申し訳ないのですが、まずはステージと客席の図。

フラットステージっていうんですか?ステージと客席(2列目まで)に段差もなにもない状態。故に2列目は見難いみたいです。A1〜3列の後ろがC1〜6列、B1〜3の後ろがD1〜6列。1列18席で、6〜13番までがセンターブロック。サイドは3列のみ(1列8席)。あとは2階にバルコニー席だったかな。柱が2本、対角線上にあるんですが、これが死角になって見えない箇所が結構ありました。バルコニーとか後ろの方の席や角度によっては、全体が見えたりするのかな。私の席からは結構演者とかぶっちゃって、今の表情見えない><って箇所はありました。ここの写真見ていただければ、雰囲気は掴めると思います。
まぁ、そんなわけで近い近い。遮るものもないので、場面によっては演者との距離30センチとかありましたね。あと、モノが飛んでくる(笑) グローブやらユニフォームやらが飛んできます。最前列の方には開演前に係員さんから「足元気をつけてください(足出さないでください)」というアナウンスが入ります。ちなみに、私の足元には村井くんが飛んできました。
オープニングにサプライズがあります。タッくんもブログで「前代未聞の演出」って言ってたけど(これのことで合ってるよね?)。なんと、演者が客席に座ってるところから、舞台が始まるんです。私的初回には全然気付かなかったんですが、2回目、観察してると、お客さんに混じって普通に4人ともフラッと入ってきて、それぞれの席に座っていました。

村井くん:B1列6番  タッくん:L1列1番
絵梨ちゃん:R2列8番  きっかちゃん:A1列6番

私的初回、そんなサプライズがあるとはまったく知らず、ぽけーっと客席を見ていたら、最前列に空席があるんですよ2席も。わー勿体無いなぁと思いながらも、時間になればくるだろうなとそんなにも気に留めていませんでした。開演前に係員の方が足元注意のアナウンスをして回っているのにも関わらず身を乗り出して本を読んでいる男の人(実は村井くんだった)が目に入り、「アイツはなんだ!(係員が注意してるのに!)」と思ったんですが、その時は気が付かず・・・。また、ぽけーっと客席を見ていると、斜め向こうにシルエットが既にかっこいい男の人を発見。ミルクティみたいな髪色で組んでる足がほんとに長くて、うつむきながら携帯をいじってるんだけど、その指も本当にキレイで・・・ってあれ?めちゃくちゃタッくんに似てるんですけど?とかなり凝視してしまいました。腕の筋の感じとかほんとにタッくんぽかったんだけど、緑のパンツだったしそれははかないだろうと、「今時の若い子はみんなシュッとしてシャッとしてるんだなぁ」なんて思ったり、「いやでも、ほんとにタッくんに似てるわータッくんのファンかなー」とか思ったりしてました。結局本物のタッくんだったけど、まさか客席に座ってるとは思ってないからびっくり!開演ブザーが鳴る直前まで携帯いじってるし、やっぱりちょっと浮いてる気がして変だなとは思ってたけど。開演ブザーが鳴る直前といえば、最前列の空席に慌てて入ってくる、すっごいかわいいけどちょっと派手な女の子も見てたんだけど、それがきっかちゃんだとは気付かず。絵梨ちゃんも着席したの見てたのに、キレイな人だなーと思うくらいで全然気付きませんでした。何を観てるの私・・・。劇場が薄暗くしてあったのはこのためなのかな。

ストーリーとしては、ケントとの会話の中で「(新しく入ってきた別の課のかわいい女の子に比べて彼女である)ステッフ(の顔)は並である」と言ってしまうグレッグ。それをカーリーが告げ口したところから始まります。それを聞いたステッフが怒ってケンカし、家を出てしまう。ステッフは自分の外見についてコンプレックスを抱いていたのだ。グレッグは、友人の前では謙遜のつもりで言った、自分はステッフをかわいいと思っているし、確かに新人の女の子はかわいいけれど100万ドルつまれても付き合う気はない、となだめようとするが上手くいかない。
グレッグとケントは学生時代からの友人であり会社の同僚、お互い夜勤帯で努めている。ケントの彼女のカーリーは、同じ会社の警備員(夜勤帯)。ケントは自分の欲望のままに生きるのがかっこいいと思っているイマドキの若者、カーリーは自分の顔がかわいいのを知っているし、でもそれが良い事だけではないことも知っている。
ある日、ケントはキレイな新人ちゃんと浮気していることをグレッグに話す。飽きれたグレッグは「やっちゃえ、やっちゃえ」と煽る。一方ケントの様子がおかしいと感じたカーリーがグレッグに問い詰める。グレッグはケントをかばう。かわいくてエロい新人ちゃんにハマっていくケント。
お互い未練の残るグレッグとステッフだが、ステッフは新しい彼氏と出会う。その人は「私の顔を見てすごく幸せそうな顔をする」人だという。浮気相手に合わせるように日勤にシフトを変えるケント。カーリーと暮らしながら、カーリーが夜勤に出かけると浮気相手が家に来る、という生活を送っていることをグレッグに告げる。カーリーが妊娠していることを知ったグレッグは、ケントにもう浮気の片棒を担ぐような事は出来ない、カーリーに問い詰められたら嘘をつけないと言うと、自分が浮気をした一端はグレッグが煽ったことにもあるんだと激怒。言いたいことを言い合うグレッグとケント。頭に血の上ったケントは、グレッグに向かって「お前の元カノ(ステッフ)は不細工だ、みんな言ってる。あんなのと付き合うなんてフ○○が上手いからだろうって」と言い放ち、その言葉にキレたグレッグは着ていたユニフォームを脱ぎ捨て出て行く。その日はケントの長年の夢だったソフトボールの優勝のかかった試合の日だった。夢も友人も失ったケント。
身重の身体をおして夜の見回りをするカーリーに、今すぐ家に帰った方がいいとすすめるグレッグ。その勧めに沿うよう家に帰るカーリー。待っているのはケントと浮気相手・・・。カーリーと入れ違いにキレイに着飾ったステッフが現れる。彼氏と婚約したことを報告されるグレッグ。そこでステッフに「本当のことを言うと、今の婚約相手から、グレッグが私を奪ってくれないかって思ってるの」と言われ、浮かれる。しかし、いつもの悪いクセで「でももういいの、グレッグなんていらない」と言ってしまうステッフ。帰り際に「あなたが私の行く道を示して」と最後の大チャンスを貰うも「あっちだ!」とドアの方を指し示すグレッグ。
4年付き合った彼女をなくし、ソフトボールチームも会社を辞め、もう一度学校へ通おうとするグレッグ。少しは相手の気持ちをわかるように成長した僕、リユウは・・・「聞かないでくれ!」
という話。

長々とすみません。これ全部「会話」だけで成り立ってる劇で。本当に台詞量が多くて、ぼーっとしてると聞き逃してしまうようなお話でした。原作はアメリカで書かれたストレートプレイで、だからなのか言い回しがいちいち英語っぽくて外国ドラマの吹き替えを見ているようでした。でも、違和感なかったんだよね。多分、みんなちゃんと外国人に見えたんだと思う。あぁアメリカ人っぽいなーと自然に思えた。私としては、登場人物の誰にも「わかるわーそれ」と思えなくて、イライラしたり「そこ違うだろう!」と心の中でツッコんだりしてたんですが、泣いてる方も結構いらして、もしかして経験値の違いかしらと思ったり。「気持ち分かるわー」って人にはほんとに共感できる感情なんだろうなと思いました。
グレッグは「優しい男」「周りの状況によっては言いたい事もはっきりいえないタイプ」らしいんだけど、私からするととんでもなく鈍感な男にしか見えなくて、終始イライラして見ちゃいました。そこはこう言って欲しいんだろステッフは!というのも全然気付かないし、それはいちばん言って欲しくない言葉だろう!という言葉に限ってポロっと言ってしまう。最後、引き止めて欲しくて結論を委ねるステッフを引き止めないのにも、んもう!と。でも、少し経ってから考えると、あれはグレッグの優しさだったのかな?「あのまま4年付き合ったとしても、次の日に別れたとしても変わらなかった、惰性で付き合っていた」とグレッグが言ってたけど、ここでまた引き止めてやり直しても同じことの繰り返しなら、と思ったのかな。でも、グレッグとステッフのやりとりから最後までグレッグはステッフが何故怒っていて、何故その言葉にそこまで執着してるのか理解してなかったようにも思えたしなぁ。もやっとするわぁ。
ケントはほんとにどうしようもないっていうか、浮気もしちゃう俺かっこいいだろ?的なもう阿呆としかいいようのない男で。大体「(浮気相手が)カーリーのことを知っていても、それでもいいって言うんだ、そんな女いるんだなぁ」とグレッグに自慢?してたけど、それってその女とんでもないビッチでしょう、そんなこともわかんないんだなーって(笑) モノローグ(独白)での、美人の彼女を持つと、彼女の過去も気になるし、彼女が話している男全員が気になる、自分が彼女に抱いている気持ちと同じ気持ちの男がたくさんいると想像してしまう、まぁ俺は気にしないけど(という強がりをいう)という惚れているからこその弱さがわかって少し理解できるような気はしたけど、その後の浮気相手との過激なプレイにハマっていく様子にはもう言葉が出ない。いちばんどうしようもないなと思ったのは、浮気したことの一端がグレッグにもあると責任転嫁したことね。本当にしょーもない男ですよまったく。すぐ腕力で解決しようとするし。
ステッフは、まぁこういう女の子って結構居るよなぁと思いました。彼氏から見て「かわいい彼女」と思われたい気持ちはわかるけど、「並」と言われたことに対してそこまで執着するか?と思ってしまった。「(新人ちゃんは確かにかわいいけど)100万ドルつまれても付き合う気はない」じゃ納得できなかったんだろうね。ずっとステッフの中にはグレッグに対して言って欲しい言葉があって、だけどグレッグは最後までそのことに気付かなかった。「並だ」という言葉はそれの象徴であって、ステッフの本当の気持ちを理解しきれないグレッグとはこのきっかけがなくても続かなかったのでは?と思いました。どうしても譲れないものがある気持ちはわからなくはない、でもグレッグが不器用な人だという事はきっと4年も付き合っていてわかりきってることだと思うから、そこを慮ることができないのはステッフの未熟さなのかなーと思ったり。グレッグに甘えてるよなぁ。正直めんどくさい系な女の子だけど、女の子ってこんなんだよなぁとも思う。この物語でいちばん成長したのはステッフなんじゃないかと思う。
カーリーは自分がかわいいことをわかってる女の子。でも、自分のことを外見がいいだけで中身がないと思ってる。カーリーの人物像がいちばん掴めなかった。ステッフが過剰に外見を気にするのに対して、「外見はいい・・・それで?」って事のメタファーなのかな。そもそもグレッグがステッフの顔を「並」と言った、とステッフに告げる行動が解せなかったです。モノローグ(独白)では、客席が近いからお客さんに話しかけるようにわざと目を見て語りかける演出だったみたいなのですが、カーリーの台詞「(顔がかわいいからという理由で)知らない男の人についてこられたことある?」で見事目を見て語りかけられてしまいました。ないです。突然のことであまり反応できなかった、無念。
と、登場人物の悪口ばかり書いてるように思われますが、こんなに色んな感想を抱けるって事は、それだけキャラクターがしっかりしてたんだと思います。若い4人だったけど上手だったな。村井くんは戦国鍋のイメージが強すぎるんだけど、一瞬も思い出さなかったもん。脚本もぶれてなかったんだと思います。演出も丁寧だった。劇場も小さいしセットも少ないし、だからこそ4人の人間性が強調されてたのかなと。こんなに誰にも共感できないのに、もう一度見たいなと思う舞台もないと思う。台詞の応酬、畳み掛けるような会話の連続がじわじわとクセになる。これ、DVDで見たいな〜、多分DVDにはならないと思うけど。
で、タッくんですが(ここまで長かったね)、よかったです。「タッくんが演じている」ということを加味しても同情できないってすごいよね。全部身から出た錆。グレッグとのケンカのシーンが大迫力で、ほんとに怖くて。声もね、後半に行くにつれてだんだん低くしてるのもきっと役作りだよね。あと、散々呟いてるけど、身体が本当に素晴らしい。いい身体。もともと肌も白くて腕なんて陶器みたいで頬をすりすりしたいくらいなんだけど*1、今回は腹筋まで解禁になりまして。ケンカのシーンの最後にユニフォームの前を全開にするんだけど、最初はなかったらしいね。ユニフォーム全開まではほんとに迫力のある鬼気迫る演技でこちらもケントとして見てたのに、腹筋が見えた途端に「タッくん(*゚д゚*)フンガー!」と思ってしまった事は深く反省している、が、見ることができて心から良かったと思っている(*´艸`*)
あと、カーリーとのやりとりも、というか恋愛絡みって今までなかったと思うので新鮮でした。目の前30センチの距離でタッくんがかわいい女の子(きっかちゃん)とハグしてるー(*゚д゚*)フンガーとか思ってすまん。360度だから、色んな角度から女の子の肩を抱くタッくんを見られるわけですが、ああいうのって正面から見るより後ろから見た方がエロいよね。かわいい女の子(きっかちゃん)の肩をすっぽり抱いたり、ポニーテールのテールの部分を撫でたり、キス寸前まで顔を近づけるんだけどその時きっかちゃんの首すじに手を回すその指の感じが妙に色っぽかったり、「女はこうやって扱うんだよ」っていう台詞とか(笑) きっかちゃんもきっかちゃんでタッくんに抱きついている時は両腕を腰にずーっと回してたし。指ちゅっちゅとかいちゃいちゃしまくっていて、興奮しました(笑) 死角ばかりで苛立つセットの柱があるのですが、そこに腕を回してカーリーに対して「手錠かけてもいいんだぜぇ〜」とお尻突き出しながら言うシーンがたまらなくエロかったのと、浮気相手がとてつもなくエロいということをグレッグに話す際にその柱の前でストリッパーみたいなM字開脚するんだがそれがまたたまらなく色っぽかったです(*´д`*) 福眼。
ぐだぐだと長く書いてしまったけど、いろんな意味で面白い舞台だったなと思いました。タッくんの役は今までにない感じ。また新しい一面を見ることができて良かったです。またこんな感じのどうしようもない男の役、見てみたいな。

*1:HんTい言うなし